マンネリズムの打破が認知症予防には有効

質の高い介護事業所においては、日常的に認知症対策が行われています。毎日利用者に話しかけるのも認知症の予防には役立ちますが、脳に刺激を与えてあげることが何よりも重要になります。そのため、様々な催し物を開いて、利用者に新鮮な感動を与え続けているわけです。映像作品に触れさせることも大事になりますし、外部の人間を事業所内に招き入れて、普段とは違う環境を作り出すことも有効です。歌手や芸人さんやプロレスラーの方が介護事業所を回って、お年寄りの相手をするということはよくある話です。こうした対策を取っているかどうかで、利用している人たちの幸福度も変わってきます。家族も本人も介護スタッフも全員が幸せになれますし、さらに国にもいい影響を及ぼすため、認知症対策は本当に大切なこととなります。しかし、まだこうした対策を講じている介護事業所は、ごく一部に過ぎません。優秀な事業所のみで行われているだけで、普通はこうした特別な取り組みをする余裕はないものです。日本中のすべての介護事業所でこうした取り組みができるようになるのが理想ではありますが、そのためには、介護の世界により多くの税金を投入する必要性も出てきます。現状ではギリギリの経営を続けている事業所が多いので、予防についてまで面倒を見られないというパターンが多いのです。介護スタッフの増員も必要になりますから、業界内だけではなく国民的な関心をもっと集めていく必要があるでしょう。